結果の概要に戻る

他職種へのタスクシフティングの可能性検討

 5つの業務

  • 患者への説明・合意形成
  • 血圧などの基本的なバイタル測定・データ取得
  • 医療記録(電子カルテの記録)
  • 医療事務(診断書等の文書作成、予約業務
  • 院内の物品の運搬・補充・患者の検査室等への移送
について、他職種(コメディカル)への分配(タスクシフティング)の可能性について調査を行った。図TS1は、12月14日に実際に行った5つの業務に費やした時間(分)(平均値)を表している。集計の際には、当日が休日である医師、5つのタスクが実際の勤務時間を超える記載のある医師、および、次の図TS2で説明する分配割合が100%を超える記述のある医師は、集計から除外した。


図TS1:12月14日(水)に費やした5つのタスクの時間(分)(平均)

 これら5つのタスクにかかる時間は、12月14日(水)の調査結果から長いものから、「医療記録(電子カルテの記録)」、「患者への説明・合意形成」、「医療事務(診断書等の文書作成、予約業務)」、「血圧などの基本的なバイタル測定・データ取得」、「院内の物品の運搬・補充・患者の検査室等への移送」であった。

 次に、5つのタスクそれぞれにおいて、何%を他職種に分配可能と思うかを調査した。その結果、医師から他職種への分担が可能な5つのタスクは、「医療事務(診断書等の文書作成、予約業務)」、「院内の物品の運搬・補充・患者の検査室等への移送」、「血圧などの基本的なバイタル測定・データ取得」、「医療記録(電子カルテの記録)」、「患者への説明・合意形成」の順で、分担が可能という結果であった(図TS2)。


図TS2:5つのタスクの他職種への分配可能な割合(%)(平均)

 これらのタスクを他職種が分担した場合、50代以下の常勤勤務医がこれらのタスクを行うのに要する労働時間のうち、約20%弱(約47分)を軽減する可能性が示唆された。ただし、実際にタスクシフティングを行う際には、分配される側の状態も考慮して行わなければならないことに注意しなければならない。