地方勤務を許容しない障壁
地方勤務をする意思がないと回答した意思に対しては、その理由について尋ねた。準備した選択肢は
- 既に都市部で開業しているため
- 元の勤務地/希望する勤務地に行ける保証がないため
- 医局の人事等のためキャリア選択や居住地選択の余地がないため
- 希望する内容の仕事ができないため
- 専門医等の資格取得が困難であるため
- 労働環境に不安があるため
- 経済的理由(収入・待遇)のため
- 子供の教育環境が整っていないため
- 両親等親族の介護のため
- 家族の理解が得られないため
- その他
という11種類を準備し、その中から1位、2位、3位を選択頂いた。
その結果、地方勤務の障壁となっている理由は年代によって変化することが明らかとなった。図Re1、図Re2、図Re3に年代別の理由の割合の結果を示す。30代、40代は違いが大きくなかったためまとめた。どの年代でも「労働環境への不安」、「希望する内容の仕事が出来ない」の2つは共通の障壁となっており、医師の負担を減らし、経験を積むことができる環境の構築が重要であると考えられる。それらに加え、20代の若い世代では、「医局の人事により選択の余地が無いため」、「専門医等の資格取得が困難であるため」の2つが特徴的な障壁となっている。30、40代になると「子供の教育環境が整っていないため」という理由が高くなるという特徴が見て取れる。
これら地方での勤務に対する障壁は、逆に考えれば、これらを整備することが「地方勤務に対して医師の背中を一押しするもの」と推察される。
図Re1:地方で勤務する意思がない理由(20代)
図Re2:地方で勤務する意思がない理由(30、40代)
図Re3:地方で勤務する意思がない理由(50代以上)